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スマホの使いすぎで腱鞘炎が急増中

スマホが手首や親指に与える負担

腱鞘炎を説明する先生

スマホを触るということは、親指と手首を同じ角度で固定した状態で、細かい動きを繰り返すため、腱と腱鞘に「擦れ」と「圧力」が集中します。

特に片手持ちで親指だけでスクロールやフリック、長文入力を続ける使い方は、手首の親指側に負担が偏りやすいのが特徴です。

1)片手持ち+親指操作

・片方の手でスマホを支えて、同じ親指だけで操作をすると、親指の付け根から手首にかけての腱が常に引っ張られた状態になります。この状態が続くと、腱と腱鞘がこすれ続け、炎症が起こりやすくなります。

2)手首を反らしたままの固定姿勢  

・ベッドやソファで横になりながらスマホを顔の上に持ち上げて見る姿勢は、手首を反らしたまま固定しやすく、手首の関節や腱への負荷が増えます。

さらに、落とさないように強く握ることで、前腕から手首にかけて常に力が入り、疲労感と炎症のリスクが高まります。

3)長時間休憩なしの連続使用

・スマホやパソコンなどの反復作業は、腱に「同じ負担」をかけ続けるため、回復する時間が足りなくなります。この状態が積み重なると、ちょっとした動きでも痛みや腫れが出る「オーバーユース(使いすぎ)」の典型的なパターンになります。

こうした要因が重なることで、手首の親指側に痛みや腫れが生じる「スマホ腱鞘炎」や、代表的な腱鞘炎(ドケルバン病)へと進行していきます。

スマホの使いすぎで腱鞘炎が急増中

腱鞘と炎症の仕組み

手の模型

「腱」と「腱鞘」の構造を知ることが大事です。

腱は筋肉と骨をつなぐ強い「ロープ」のような組織で、そのロープを包む「トンネル」が腱鞘と呼ばれます。

1)腱と腱鞘の役割

・腱は筋肉の力を骨に伝え、指や手首を動かす役割を持ちます。

腱鞘はその腱を包み込み、腱がスムーズに前後へ滑るようにガイドする滑車のような構造です。

2)炎症が起こるメカニズム  

・同じ動きを繰り返していると、腱と腱鞘の間で摩擦が増えて細かな傷や負担が蓄積します。これによって腱鞘の内側や周囲に炎症が起き、腫れや発赤、熱感、痛みが発生します。

3)狭窄性腱鞘炎という状態

炎症が続くと、腱鞘の内側が厚くなったり狭くなったりして、腱の通り道が「狭窄(きょうさく)」した状態になります。

この狭窄性腱鞘炎になると、腱が引っかかる感覚や、動かした瞬間の強い痛みが出やすくなり、スマホ操作やドアノブを回す動きなど、日常の細かい動作でも支障を感じるようになります。

腱鞘炎は放置すると慢性化しやすく、炎症がなかなか引かない「長引く痛み」に変わってしまうこともあるので、早めの対処が重要です。

スマホの使いすぎで腱鞘炎が急増中

腱鞘炎とドケルバン病の違い

腱鞘炎の人

①腱鞘炎(狭窄性腱鞘炎)

腱鞘炎は「腱鞘の炎症」の総称です。

「腱鞘炎というグループの中に、ドケルバン病というタレントがいる」といったところでしょうか。

1)腱鞘炎にもさまざま

・一般的な手指の腱鞘炎には、ばね指のように指の付け根で引っかかり感が出るタイプや、複数の指に痛みが出るタイプも含まれます。

一方でドケルバン病は「手首の親指側」という部位が特定されていて、親指を動かしたときの手首の痛みが主症状になる点が特徴です。

②ドケルバン病(狭窄性腱鞘炎)

手首の親指側(橈骨茎状突起部)にある腱と腱鞘に炎症が起こった状態で、腱鞘炎の一種です。

特にスマホ操作や赤ちゃんの抱っこなどで親指や手首を酷使する人に多くみられます。

1)症状の特徴  

・親指側の手首の痛み、押したときの痛み、腫れが典型的な症状です。

・親指を広げたり、物をつかんだり、タオルを絞る動作で痛みが強くなり、悪化すると何もしていないときでもズキズキ痛むことがあります。

2)なりやすい人

・産後の授乳中や更年期の女性、育児や家事で手首を酷使する人、デスクワークでパソコンやスマホを頻繁に使う人に多くなります。

女性ホルモンの変化や手のむくみが炎症に関与していると考えられ、産後3か月の女性でドケルバン腱鞘炎の有病率が高いという論文も出ています。

3)ドケルバン病の発症パターン  

・片手でスマホを持ち、親指だけで長時間スクロールやフリックを続ける  

・赤ちゃんの頭やお尻を支える抱っこの姿勢が続く  

・包丁やアイロン、掃除機など、家事での反復動作が多い  

これらにより、親指を動かす腱(短母指伸筋腱・長母指外転筋腱)と腱鞘の摩擦が増え、炎症と狭窄が進んでいきます。

③自分でチェックできるポイント

・親指を内側に入れて握りこぶしを作り、そのまま手首を小指側に曲げたときに、親指側の手首に強い痛みが出る場合、ドケルバン病の可能性が高くなります(フィンケルシュタインテスト)

このテストで強い痛みが出るときは、整形外科や病院、整骨院などに行くようにしましょう。

ドケルバン病は、安静、湿布、装具による固定などの保存療法で改善するケースが多いですが、再発を繰り返す場合には、ステロイド注射や手術(腱鞘切開)を行うこともあります。

痛みの出る前に、スマホの使い方を見直して手首や親指の負担を減らすことが大事となります。

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