腰だけ揉んでも良くならない理由
まずはじめに

腰だけを揉んでいると、その場はラクでも「なぜまた痛くなるのか」「なぜ根本的によくならないのか」は、医学的にきちんと理由があります。
腰痛は「腰の筋肉のコリ」だけの問題ではなく、多くが以下の要素を組み合わせた結果として起こります。
・骨盤、股関節、背骨など、身体全体のアライメント(姿勢バランス)の乱れ
・運動不足や同じ姿勢の継続による筋力低下、柔軟性低下
・ストレスや不安など、痛みを増幅させる心理社会的要因
このため、腰だけをマッサージで緩めても「痛みを生み出している原因」が残っている限り、どうしても再発しやすくなります。
腰だけ揉んでも良くならない理由
マッサージで一時的にラクでも痛みが戻る理由

1)マッサージの効果は「短期間」
医療、リハビリ分野の論文報告では、マッサージは急性、慢性の腰痛に対して「痛みの短期的な改善」は認められていますが、長期的な根本改善についての証拠は弱いとされています。
・筋肉をほぐすことで血流が良くなり、発痛物質が流れやすくなる
・筋紡錘など筋肉のセンサーに働きかけ、過剰な緊張を一時的に抑える
・エンドルフィンなどの脳内物質が出て、「気持ちよさ」と鎮痛効果が得られる
このように「その場では軽くなる」のは科学的にも説明できますが、組織そのものの耐久性や動きのクセまでは一度のマッサージでは変わりません。
2)同じ生活習慣と姿勢が続いている
マッサージ後も、以下のような習慣が変わらなければ再び同じ場所に負荷が集中します。
・長時間のデスクワーク、スマホでの前かがみ姿勢
・反り腰や猫背などの不良姿勢
・運動不足による体幹や股関節まわりの筋力低下
「腰の筋肉」は、こうした負荷をかばうために硬くなっていることが多く、かばい続ける限り、ほぐしてもまた硬くなるという悪循環になります。
3)痛みの「感じ方」にもクセがつく
慢性腰痛になると、脳や神経系が「痛みを感じやすい状態」に変化することが分かってきています。
・痛みへの不安やストレス
・「また痛くなるのでは」という恐怖
・仕事や家庭のプレッシャー
こうした心理社会的な要因が重なると、筋肉の状態だけを改善しても痛みの感じ方があまり変わらず、結果として「また腰が気になる」という状態に戻りやすくなります。
腰だけ揉んでも良くならない理由
骨盤・股関節の不具合が腰に与える負荷と痛み

1)腰は「股関節と骨盤の動き」に連動
前かがみや反る動きでは、本来「股関節」「骨盤」「腰椎」が連動して動く必要があります。
・前かがみ:股関節の屈曲+骨盤の前傾+腰椎の屈曲
・後ろに反る:股関節の伸展+骨盤の後傾+腰椎の伸展
ところが、股関節の可動域が狭かったり、骨盤の動きが硬かったりすると、本来股関節や骨盤が担うべき動きまで「腰だけで頑張る」ことになり、腰椎、椎間板、椎間関節に過剰な負荷が集中します。
2)股関節周りの筋バランスが崩れると
中殿筋などの股関節の周りの筋肉の機能低下や過緊張は、骨盤の安定性を失い、腰の負担を増やすことが報告されています。
・中殿筋の筋力低下 → 骨盤の不安定化 → 腰椎を支えるために脊柱起立筋が過剰に働く
・長時間の立位や歩行で、腰だけがパンパンに張りやすくなる
・結果として、腰椎の椎間板内圧が上がり、慢性腰痛のリスクが高まる
高齢者に対して行なった研究でも、股関節の障害と慢性腰痛が同時に発生すること、股関節の痛みやこわばりがある方ほど生活の質が低くなることが発表されています。
3)骨盤・股関節の問題が姿勢全体を狂わせる
股関節の動きが悪くなると、骨盤の前傾・後傾が極端になり、腰椎の前弯(反り具合)が変化します。
・反り腰タイプ:骨盤前傾+股関節屈曲制限 → 腰椎の前弯増強 → 椎間関節や椎間板の圧迫増加
・猫背タイプ:骨盤後傾+股関節伸展制限 → 腰椎のカーブ減少 → 椎間板後方へのストレス増加
このような「腰に負担が集中する姿勢」が続く限り、いくら腰だけをマッサージしても、原因が別の場所に残っているため、再び腰痛が出てしまいます。
腰だけ揉んでも良くならない理由
運動療法と根本改善の法則

1)ガイドラインが勧めるのは「運動+教育」
日本の「腰痛診療ガイドライン2019」やWHOなどの国際ガイドラインでは、慢性腰痛に対して運動療法を推奨し、牽引や電気治療などの物理療法は効果的ではないと発表しています。
・慢性腰痛:運動療法を強く推奨
・急性腰痛:過度な安静は推奨されず、通常の生活を維持しながら必要に応じて運動を調整する
今までは腰痛がある場合は安静を勧めていた傾向がありましたが、近年は変わってきていますのでアップデートしていきましょう。
2)根本改善のための3ステップ
腰痛を根本から改善していくためには、次のような流れが効果的と考えています。
①痛みのコントロール
・必要に応じてマッサージ、物理療法、薬物療法(痛み止め)などで、日常生活に支障が出ないレベルまで痛みを落ち着かせる
・「絶対安静」ではなく、可能な範囲で動き続ける
②骨盤、股関節、体幹を整える運動
・股関節の可動域改善(ストレッチ)、中殿筋や臀筋群の筋力強化
・体幹(インナーマッスル+アウターマッスル)の安定化トレーニング
・姿勢や動作(立ち方・座り方・歩き方・しゃがみ方)の再学習
③再発予防としての生活動作の見直し
・長時間同一姿勢を避け、こまめに姿勢を変える習慣
・仕事・家事・スポーツでの身体の使い方を、腰に負担の少ないフォームへ修正
・ストレスマネジメントや睡眠など、全身状態を整える
この「受け身の施術だけで終わらせず、自分で動いて整えていく」という考えが、腰痛治療の大きな流れです。
「腰だけを揉む」から一歩進んで、「身体全体の使い方を変える」ことを意識していただくと、今までとは違う腰の状態になりやすくなります。
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