PFCの定義と意味
筋力向上・ダイエット・スポーツに必須
タンパク質の役割PFCとは、
P(プロテイン):タンパク質
F(ファット):脂質
C(カーボ):炭水化物
の頭文字をとった言葉になります。
これらは私たちの体にとって重要な「三大栄養素」と
言い、バランスのとれた栄養摂取を行うために、PFCの比率が健康的な食事プランに活用されることが多いです。
それぞれの役割を詳しく解説していきます。
「三大栄養素」の役割
タンパク質の役割
タンパク質は、体を構成する主な材料で、筋肉、臓器、皮膚、髪、爪などの組織の構築や修復に不可欠となります。また、酵素、ホルモン、抗体などの生理活性物質の材料としても重要です。
(1)体の構築と修復:筋肉や臓器の細胞を修復したり、成長を促したりする役割があります。
(2)酵素の材料:酵素は体内の化学反応を助けるタンパク質で、消化やエネルギー生成を効率よく行うために欠かせません。
(3)免疫機能:抗体として病原体を認識し、免疫反応を助ける役割があります。
(4)ホルモンの材料:インスリンなどのホルモンもタンパク質から作られ、体内のさまざまな機能を調節します。
タンパク質は「動物性タンパク質」と「植物性タンパク質」に分けられ、アミノ酸組成や栄養価が異なります。
①動物性タンパク質
・特徴:動物由来のタンパク質で、肉、魚、卵、乳製品などに含まれます。
・利点:必須アミノ酸(体内で作れないアミノ酸)がすべて含まれた「完全タンパク質」です。筋肉の成長や修復に特に役立ち、吸収も早いため、トレーニング後の回復に適しています。
・注意点:脂肪分が多い食品もあるため、過剰摂取すると脂肪やカロリーの摂取量が増え、健康リスクにつながることもあります。
②植物性タンパク質
・特徴:植物由来のタンパク質で、豆類、ナッツ、種子、穀物などに含まれます。
・利点:低脂肪で食物繊維が豊富なため、腸内環境の改善に役立ち、心血管の健康にも良い影響を与えます。また、抗酸化物質やビタミン、ミネラルも多く含まれています。
・注意点:植物性タンパク質には、必須アミノ酸が不足している場合があるため、豆類や穀物を組み合わせて「アミノ酸スコア(必須アミノ酸のバランス)」を補うことが大切です。
【必須アミノ酸】
タンパク質は、20種類のアミノ酸から構成され、そのうち9種類が「必須アミノ酸」とされます。これらは体内で作れないため、食事から摂取する必要があります。
【アミノ酸スコア】
必須アミノ酸のバランスが良いかを表す指標です。アミノ酸スコアが100に近いほど、体内で効率よく利用されるタンパク質と言われ、特に動物性タンパク質や一部の植物性タンパク質(大豆やキヌアなど)は高いスコアを持っています。
また、タンパク質を1日にどのくらい摂取すべきかと言う点ですが、厚生労働省が推奨する量(日本人の食事摂取基準2020年版)は、18歳以上の女性が50グラム(1日)、男性が65グラム(1日)となっています。
ただしこの推奨量は、欠乏によって病気にならない最低限の目安となっています。
良好な栄養状態を維持するのに十分な量を示す「目標量」とは異なります。
※目標量参照:不足すると万病を招く「たんぱく質」医師が勧める「最高のとり方」
年齢(歳) | 目標量g:男性 | 目標量g:女性 |
18〜29歳 |
86〜133g |
65〜100g |
30〜49歳 |
88〜135g |
67〜103g |
50〜64歳 |
91〜130g |
68〜98g |
但し、腎臓疾患をお持ちの方、腎臓の数値が悪くなってきている方はタンパク質摂取量の制限がある場合がありますのでご了承ください。
この目標量に対して、現在の平均摂取量/1日は、女性平均65.1g/1日、男性平均77.9g/1日(日本人の食事摂取基準2020年版)となっており不足傾向になっています。
脂質の役割
脂質は、エネルギーを蓄える役割や、細胞膜の構成成分、ホルモンの材料として機能します。また、脂溶性ビタミン(A、D、E、K)を吸収しやすくする働きもあります。
(1)エネルギーの貯蔵:脂質は効率的にエネルギーを貯蔵でき、体がエネルギー不足に陥ったときに使用されます。
(2)細胞膜の構成:細胞膜の主成分であるリン脂質は、細胞の形を保ち、物質の出入りを制御します。
(3)ホルモンの生成:コレステロールは、ステロイドホルモンやビタミンDの前駆物質として使われます。
(4)体温の調整と臓器の保護:皮下脂肪は体温を保ち、内臓周囲の脂肪は衝撃から臓器を守ります。
但し、どの脂質でも良いのかと言うとそうではありません。
①飽和脂肪酸
・含まれる食品:肉の脂身、バター、ココナッツオイル、ラード、乳製品など。
・健康への影響:過剰摂取はLDL(悪玉)コレステロールを増やし、心疾患リスクを高める可能性があるとされています。摂取量は少量に抑えるのが望ましいです。
②不飽和脂肪酸:以下の二つに分けられます。
(1)一価不飽和脂肪酸(モノ不飽和脂肪酸)
・含まれる食品:オリーブオイル、キャノーラ油、アボカド、ナッツ類。
・健康への影響:心臓病予防に有益とされ、HDL(善玉)コレステロールを増やす効果が期待されています。地中海式ダイエットなどで推奨されています。
(2)多価不飽和脂肪酸(ポリ不飽和脂肪酸)
さらに2つの種類に分けることができます。
A:オメガ3脂肪酸
・特徴:抗炎症作用があり、体内で合成できないため「必須脂肪酸」として食事から摂る必要があります。
・含まれる食品:青魚(サーモン、サバ)、エゴマ油、亜麻仁油、チアシード。
・健康への影響:脳や心臓の健康を支えるとされ、血液循環の改善、コレステロール低下、炎症の抑制に役立つとされています。
B:オメガ6脂肪酸
・特徴:こちらも必須脂肪酸ですが、摂りすぎは体内で炎症反応を高める場合もあります。
・含まれる食品:植物油(ひまわり油、大豆油、コーン油)、ナッツ類、種子類。
・健康への影響:適量であれば心臓の健康に有益ですが、オメガ3とのバランスが大切です。過剰摂取は炎症リスクを増加させる可能性があります。
③トランス脂肪酸
・特徴:不飽和脂肪酸が加工や調理で部分水素化されてできる人工的な脂肪。
・含まれる食品:マーガリン、ショートニング、揚げ菓子、インスタント食品の一部。
・健康への影響:LDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減少させるなど、心疾患リスクを高めるため、摂取は極力避けることが推奨されています。
以上のことから脂質の中でも良質な一価不飽和脂肪酸(モノ不飽和脂肪酸)、多価不飽和脂肪酸(ポリ不飽和脂肪酸)(オメガ3脂肪酸)から摂取することが好ましいと言えます。
炭水化物の役割
炭水化物は、体と脳の主要なエネルギー源であり、特にグルコースに分解されて利用されます。また、エネルギー源として即効性があるため、日常の活動や運動のパフォーマンスを支える重要な栄養素です。
(1)即効性のエネルギー供給:炭水化物は消化が早く、グルコースに分解されるとすぐにエネルギーとして利用されます。
(2)グリコーゲンとしての貯蔵:過剰な炭水化物は肝臓や筋肉にグリコーゲンとして貯蔵され、エネルギーが不足したときに再利用されます。
(3)脳のエネルギー源:脳はほとんどグルコースしか利用できないため、炭水化物は特に重要です。
炭水化物は太るなどの理由から悪者扱いにされがちですが大切なエネルギー源となります。
また、炭水化物は糖質と食物繊維の2種類に分けられます。それぞれの特徴や種類について、詳しく見てみましょう。
①糖質
炭水化物の中で、体にエネルギーを供給する役割を果たす部分が「糖質」で、さらに3種類に分けられます。
A:単糖類
・特徴:最も基本的な形の糖で、体内で素早く吸収されます。
・含まれる食品:ブドウ糖や果糖が含まれる果物、はちみつなど。
・健康への影響:エネルギーの即効補給に役立ちますが、過剰摂取は血糖値を急激に上昇させ、健康リスクを高めることがあります。
B:二糖類
・特徴:単糖が2つ結合したもの。分解されてから吸収されますが、比較的速くエネルギーになります。
・含まれる食品:砂糖(ショ糖)、乳製品に含まれる乳糖など。
・健康への影響:多量摂取は血糖値を上げるほか、肥満や糖尿病リスクがあるため、注意が必要です。
C:多糖類
・特徴:多数の単糖が結合したもの。消化吸収に時間がかかり、エネルギーがゆっくり供給されます。
・含まれる食品:デンプン(米、パン、イモ類など)、グリコーゲンなど。
・健康への影響:血糖値の上昇が穏やかで、持続的なエネルギー供給に優れています。精製されたものよりも、玄米や全粒穀物など未精製の形が推奨されます。
②食物繊維
食物繊維は消化されずにエネルギーにはならないものの、健康維持に重要な役割を持っています。水に溶ける「水溶性」と溶けない「不溶性」に分けられ、腸内環境の改善に役立ちます。
A:水溶性食物繊維
・特徴:水に溶ける性質を持ち、腸内でジェル状になり、糖や脂肪の吸収を緩やかにします。
・含まれる食品:果物(りんご、柑橘類)、海藻、オートミール、豆類など。
・健康への影響:血糖値の急上昇を防ぎ、コレステロールの低下にも役立つため、心血管系の健康にも良い影響があります。
B:不溶性食物繊維
・特徴:水に溶けず、腸のぜん動運動を促進して便通を良くします。
・含まれる食品:野菜、全粒穀物、玄米、豆類など。
・健康への影響:便通を改善し、腸内の老廃物排出を助けるため、便秘予防や腸の健康維持に役立ちます。
炭水化物は、エネルギーとして身体に必要となりますが、摂取には工夫が必要です。
特に、精製された糖質(白米や白パン、スイーツなど)は血糖値を急上昇させやすいので、血糖値を安定させるためには、未精製の穀物や食物繊維が豊富な食品を中心に摂取するのが理想です。
健康への重要性
日々の食事から少しずつ
PFCバランスを整えることは、健康な体を維持するためにとても重要です。
適切なPFCバランス(タンパク質(Protein)、脂質(Fat)、炭水化物(Carbohydrate))は、エネルギーを効率よく補給して、筋肉の成長や細胞の修復、そして将来的な身体を健康へと導きます。
食事を通じて栄養バランスを意識することで、体の機能が整い、集中力や活力も高まります。
また、長期的には生活習慣病の予防にもつながります。
日々の食事を少し意識するだけで、自分自身の健康を手に入れることができますので少しずつ取り組んでいきましょう。
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